Windows XPにおけるC言語およびC++のセットアップ作業のメモ 2012年3月版
Windows XP における C 言語および C++ のセットアップ作業の手順を自分のためにメモ。具体的には、MinGW のインストール手順。
MinGW の入手とインストール
MinGW (Minimalist GNU for Windows) とは、GCC (GNU Compiler Collection) を Windows に移植したものです。GCC とは、UNIX 系 OS でよく利用されているフリーのコンパイラです。
入手
以下のサイトから「mingw-get-inst-20111118.exe」をダウンロードします:
→ SourceForge.net:MinGW - Minimalist GNU for Windows
インストール
「mingw-get-inst-20111118.exe」はインストーラです。これを実行して、ウィザードに従ってインストール作業を進めます。
- Repository Catalogues:とりあえず、デフォルトのまま (Use pre-packaged repository catalogues)
- License Agreement:使用許諾契約。文章に目を通したら、「I accept the agreement」を選択
- Select Destination Location:インストール場所を選択。デフォルトは「C:\MinGW」
- Select Start Menu Folder:スタートメニューのフォルダ名。デフォルトは「MinGW」
- Select Components:「g++ compiler」「MinGW Developer ToolKit」の2つにチェックを入れる
- Ready to Install:インストールに関する設定を最終確認。「Install」ボタンをクリック
必要なファイルを取得するために、インストーラがインターネットにアクセスします。そのため、あらかじめインターネットに接続できる環境を整えておく必要があります。セキュリティソフトによる通信の遮断には気をつけてください。
また、ダウンロードされたファイルは、インストール場所を「C:\MinGW」(デフォルト) にした場合、C:\MinGW\var\cache\mingw-get\packages に置かれます。
MinGW Developer ToolKit の中には MSYS が含まれています。MSYS は、Windows 上で Unix ライクな環境を実現するためのもので、bash、make、tar 等が使えるようになります。
PATHの設定
環境変数「PATH」の値に「C:\MinGW\bin」と「C:\MinGW\msys\1.0\bin」を追加します。
Windows XPの場合、システムのプロパティ→「詳細設定」タブ→「環境変数」ボタンで、環境変数の設定画面が開きます。
現在ログインしているユーザーだけが利用する場合にはユーザー環境変数の「PATH」に、すべてのユーザーが利用する場合にはシステム環境変数の「PATH」に登録します。
「PATH」変数がない場合は、「新規」ボタンをクリックして、変数名に「PATH」、変数値に「C:\MinGW\bin;C:\MinGW\msys\1.0\bin」のように記述します。 すでに「PATH」変数が存在するときは、「編集」ボタンをクリックして、変数値の間をセミコロン (;) で区切って追記します。一般に、PATHの値においては、複数のパスの間を「;」で区切ります。
Windows では、環境変数の名前に大文字・小文字の区別はありません。
動作確認
コマンドプロンプトを起動し、「gcc --version」「bash --version」を実行して、gcc および bash のバージョンに関する情報が表示されればインストールは成功です:
>gcc --version gcc (GCC) 4.6.1 Copyright (C) 2011 Free Software Foundation, Inc. This is free software; see the source for copying conditions. There is NO warranty; not even for MERCHANTABILITY or FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE. >bash --version GNU bash, version 3.1.17(1)-release (i686-pc-msys) Copyright (C) 2005 Free Software Foundation, Inc.
MinGW のアンインストール
- [スタート]→[すべてのプログラム]→[MinGW]→[Uninstall mingw-get]を選択するか、プログラムの追加と削除から「MinGW-Get version 0.4-alpha-1」のアンインストールを行う
- C:\MinGW にあるすべてのファイルを削除
- 環境変数「PATH」から「C:\MinGW\bin」および「C:\MinGW\msys\1.0\bin」を削除
MinGW の使い方
C 言語
以下のようなプログラムを作成し、「hello.c」という名前で保存したとします。
#include <stdio.h> int main(void) { printf("Hello, C!\n"); return 0; }
これをコンパイルするには、コマンドラインにおいて、cd コマンドでソースファイルのあるディレクトリ (=フォルダ) に移動したのち、gcc コマンドを実行します:
> gcc hello.c -o hello
そうすると、実行形式のファイル「hello.exe」ができあがります。これを実行すると、以下のようになります:
> hello Hello, C!
C++
以下のようなプログラムを作成し、「hello.cpp」という名前で保存したとします。
#include <iostream> using namespace std; int main() { cout << "Hello, C++!" << endl; return 0; }
これをコンパイルするには、コマンドラインにおいて、cd コマンドでソースファイルのあるディレクトリ (=フォルダ) に移動したのち、g++ コマンドを実行します:
> g++ hello.cpp -o hello
あるいは、gccコマンドに「-l stdc++」オプションをつけると、C++ のソースファイルがコンパイルできます。
> gcc hello.cpp -o hello -l stdc++
そうすると、実行形式のファイル「hello.exe」ができあがります。これを実行すると、以下のようになります:
> hello Hello, C++!
MinGW Shell について
コマンドプロンプトの代わりに、MinGW Shell を利用することもできます。
MinGW Shellは、[スタート]→[すべてのプログラム]→[MinGW]→[MinGW Shell] と辿ることで起動できます。あるいは、C:\MinGW\msys\1.0\msys.bat をダブルクリックすると起動できます。
ホームディレクトリ (MinGW Shell を起動した直後のカレントディレクトリ)の実体は、デフォルトでは「C:\MinGW\msys\1.0\home\user」です。環境変数「HOME」が設定されていると、その値に記されたパスがホームディレクトリになります。
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